昔むかし、学校で「産業革命」について習ったことがありますね。18世紀後半にイギリスから始まった技術革新による産業構造の変化と経済発展のことです。思い出したでしょうか?
産業革命によって、ピアノにも大きな変化がもたらされました。それはどんな変化でしょうか。アメリカでの大量生産による低価格化と、アップライトピアノの市民層への普及。これはすごいことです。
低価格で良質なアップライトピアノがキンボールやボールドウィンなどによって大量に作られるようになりました。今も昔も「低価格」と「良質」という二つは商品の流通に欠かせない要素です。
第二次世界大戦が勃発するとヨーロッパは荒れ果ててしまい、敗戦国ドイツのピアノメーカーは生産を休止せざるを得なくなりましたが、戦勝国アメリカにいたスタンウェイは戦後も生産を続けました。コンサートグランドの分野において確実に力をつけていったのです。
スタンウェイ氏は、1849年にドイツからアメリカへと渡りました。1853年になると、スタンウェイ一族はニューヨークでアップライトピアノを作り始めました。その後1856年にはグランドピアノ製作に着手したのです。
1859年、低音部の軟銅線を2重にして巻くという方法によって弦の長さを短くすることに成功しました。そして現代のピアノと同じ7オクターブと4分の1で2本ペダルのピアノが作られていたのです。
第二次世界大戦の被災を免れたスタンウェイ氏はピアノ生産を続け、世界シェアを独占することに成功しました。現在でも数々の国際ピアノコンクールでスタンウェイのコンサートグランドが活躍していますね。
スタンウェイピアノは世界のあらゆるところで一流ピアニストたちに愛され、ピアノ愛好者たちに憧れられているのです。「いつかはクラウン」ならぬ「いつかはスタンウェイ」と夢見ていても結局かなわない、的な。
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スタンウェイもいいけど、ベヒシュタインもすごくよくないですか?イタリアのファツィオリもよくないですか?ベーゼンドルファーも興味深いし。しげるカワイも弾いてみたい。ブーニンが自宅の練習用にしげるカワイを入れたそうですよ。
「いつかはスタンウェイ」だけじゃないですね。ファツィリオF275を2時間万円で弾くことができるそうです。そういう贅沢してみたいと感じるコロナ禍の今日この頃です。
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